翻訳支援ツール TRADOS を使った FrameMaker データの翻訳
翻訳支援ツールである、TRADOS を使って FrameMaker データを翻訳するコツをご紹介します。
Adobe FrameMaker® は、マニュアルなどの大量のドキュメントを作成する時によく使われるアプリケーションです。また、TRADOS は定型文が多く、大量の文章になればなるほどその威力を発揮する翻訳支援ツールです。
そのため、マニュアルを翻訳する場合にはこの TRADOS と FrameMaker の組み合わせがもっとも多く見られます。
FrameMaker と TRADOS
FrameMaker で作られたドキュメントにはさまざまな書式やマーカーが設定されています。これらはレイアウトの情報として必要なものです。
TRADOS で翻訳する前作業として、 FrameMaker データを TRADOS を使って翻訳するために別のファイル形式にコンパイルします。TRADOS の翻訳ファイル形式(stf と呼びます)では FrameMaker で使われている書式やマーカーなどがタグ化されています。そうすることでレイアウト情報を生かしたまま翻訳作業が進みます。
翻訳が終わったら、今度は翻訳済みのファイルを FrameMaker のデータ形式(.fm)にコンパイルします。FrameMaker の書式情報のタグ化により、レイアウト情報が生きたまま翻訳されていますので、FrameMaker に戻した時にレイアウトの作業負担が軽減します。
つまり、FrameMaker と TRADOS の組み合わせは、マニュアルの翻訳には欠かせない、翻訳業界における標準ツールと言われているのです。
FrameMaker と TRADOS を使って翻訳するときの注意点
FrameMaker は大量のドキュメントを作成するのに適しており、TRADOS はマニュアルなど、大量のドキュメントの翻訳に威力を発揮することは前述しましたが、誰が使っても上手に、効果的に扱えるツールとは言えません。
もっとも効率よく扱うにはちょっとした経験とコツが必要なのです。ここでは、経験のある翻訳会社と経験の無い翻訳会社の差をこっそりお教えします。
翻訳するワード数に注目!
複数の翻訳会社に同じドキュメントに対して相見積もりを取ると結果が如実に現れるのがワード数です。
「ワード数が違ったからと言って何が違うの?」
とお思いかもしれません。しかしこれは大きな差があります。
通常、翻訳会社の見積もりは、「ワード数×ワード単価」が基本です。
つまり、ワード単価が同じであれば、ワード数が多ければ多いほど、翻訳の総額が高くなります。
「同じ FrameMaker データでワード数をカウントしているのに誤差が出るわけないでしょう!」
はい。確かにおっしゃるとおりです。しかし、実は TRADOS にちょっとした設定を施すことで、翻訳するワード数を減らすことは可能なのです。
翻訳単価は翻訳の品質と直結していますので、単価を下げることは翻訳の品質が下がるとご理解いただいても良いと思いますが、ワード数を減らす事は品質を下げることなく、料金を下げる、画期的な方法と言えるでしょう。
このワード数を減らすコツ、知っている翻訳会社と知らない翻訳会社、ここでの経験と知識の差が、翻訳外注費の差につながります。
FrameMaker と TRADOS タグの扱い
TRADOS を使用することが DTP 作業の効率化につながることは述べましたが、TRADOS の翻訳ファイル形式(stf)の扱いを知らない翻訳会社に依頼してしまうと大変な事になることもしばしばです。
TRADOS を使って FrameMaker のデータを翻訳するには、レイアウト情報をタグ化して翻訳するのですが、そのタグを翻訳途中に壊してしまう会社もあります。
もし、タグを破壊してしまったら…。
もうお気付きでしょう。FrameMaker に戻す時にエラーが発生し、綺麗なレイアウトを施すのに時間とコストが発生します。その結果、レイアウトの品質にも悪影響を及ぼします。
また、たいていのマニュアルには最後の方に索引(Index)があります。FrameMaker の「索引マーカ」という機能を使って索引も自動生成できるのが FrameMaker の最大の特長の一つです。
TRADOS を使って索引を翻訳する場合、FrameMaker で設定されている索引マーカもタグ化する事をお勧めします。ただし、索引をタグ化するには別途作業が必要であり、この作業をしていないと、翻訳終了後に FrameMaker に戻した時に索引が自動生成されません。
FrameMaker で作られたデータの翻訳・DTP の見積もりの中に「索引作成」といった項目でお金を取られているとしたら、本来コストをかけるべきところでは無いところに無駄なコストをかけている事になります。
FrameMaker と TRADOS を効率よく使える翻訳会社
「TRADOS を使って FrameMaker のファイルを翻訳できます」と謳っている翻訳会社は幾らでもあります。確かに一昔前は、「TRADOS を使えること」がその翻訳会社の売りだった時代がありました。
しかし、「TRADOS を使って FrameMaker のファイルを効率的に翻訳できる」翻訳会社は何社あることでしょう。
既述の通り、FrameMaker と TRADOS の間では、データのやり取りが発生します。
このアプリケーション間のデータをやり取りを、スムーズに、次工程に余分な負荷がかからないように、きちんとしたデータの受け渡しを行うには、きちんとした知識とノウハウが必要なのです。

