翻訳の著作権(コピーライト)について

翻訳に関する著作権についてのご案内をします。
翻訳のアウトソーシングを予定されるお客様にはご理解いただいた上で翻訳会社へ発注されることをお勧めします。

翻訳には著作権が生じるのか?

お客様からよくいただく質問の中で「翻訳に関する著作権の有無」があります。
結論から述べると翻訳にも著作権は発生します。

世の中にはさまざまな制作物(著作物)があります。これらは世の中に出た瞬間に著作権が生じます。そしてそれは法律で保護され、決して侵すことのできないものでもあります。著作物とは文章、写真、映像、ソフトウェア、音楽、などありとあらゆるすべてのものです。

翻訳は、例えば英語から日本語の翻訳の場合、原文(英語)の著作権は原文を書いた原作者が有し、翻訳文(日本語)の著作権は「第二次著作権」によりその文章を翻訳した翻訳者が有します。

翻訳の著作権は誰のもの?

前述したとおり、翻訳物の著作権は発注元であるお客様にも、受注先である翻訳会社にもありません。文章を翻訳した翻訳者自身が有しています。それではお客様は翻訳されたドキュメントを翻訳者に断りなく自由に使うことはできないのでしょうか?

もちろん可能です。

翻訳を発注する際に締結する NDA(機密保持契約書)や業務委託契約書内で著作権の所在を明らかにしておくことで、翻訳物の著作権は発注元に帰属するものとなります。

例えば、弊社は個人・法人を問わずさまざまな方とお仕事をさせていただいていますが、弊社の業務委託契約書には著作権についての記述をし、翻訳文の著作権は弊社に帰属するとしています。

Copyrights [©] マークについて

ありとあらゆる著作物には著作権が発生することは述べましたが、日本国内では著作権は著作物を制作した際に自動的に発生するものです。従って、特許のように役所に届け出る必要はありません。

わたしたちが制作に関わっている制作物のほとんどにコピーライトマークが付いていますが、このマークは著作権の有無を明示したものです。しかしこのマークが無いとしても、著作権を無視し、著作物を無断で複製したり利用したりすることは著作権を侵すことになります。

では、このマークは何のためにあるのでしょうか?

日本をはじめ、世界中のほとんどの国々で採用されている著作権の方式を「無方式主義」と言います。これは著作物を制作した際に自動的に著作権が発生することを意味します。そのため、このマークが無くても著作権を主張できるのです。

それに対して一部の国々では「方式主義」という方式が採用されており、方式主義を採用している国ではこのマークがないと著作権が発生しない場合があります。

10 年ほど前まではこのコピーライトマークの扱いは非常にデリケートな問題でした。アメリカが方式主義を採用していたからです。しかし現在はアメリカも無方式主義を採用しています。

つまり、日本での著作物には特にコピーライトマークを付ける必要はなく、もっと言ってしまえばコピーライトマーク自体は大きな意味を持ちません。

このマークがまだ付いているのはアメリカが方式主義だった時代の名残であり、今ではデザインの一部と化していると言えるかもしれません。また、一部の国々では方式主義を採用しているので、それらの国々に対しても著作権が発生することを主張するためでもあります。

まとめ

・ 翻訳にも著作権は発生する(第二次著作権)
・ 著作権を発注元に帰属させるには契約書にその文言を記述する
・ コピーライトマークを付けていなくても日本では著作権が発生する

翻訳のアウトソーシングをする際は、以上の 3 点を踏まえてから行うことをお勧めします。
特に大事なのが発注前に締結する契約書で、その契約書に著作権に関する記述が無ければその著作権は翻訳者(翻訳会社が翻訳者と結んだ契約があれば翻訳会社)のものとなります。

※ このページは翻訳者の著作権を奪う目的で作成されたのではありません。業務上、著作権の所在を明らかにしておくべきである、という考えから作成されました。