翻訳業界の用語集

「言葉」が国や地域によって異なるのはもちろんのことですが、日常生活でさえ、業界が違えば、違う意味として使われたり、時には意味が通じないことさえあります。
このページでは、翻訳業界で使われる言葉や用語をご紹介します。

見積もり・翻訳の前準備に関連する用語

仕上がり

翻訳の金額を出す時の単位のひとつ。

英語 → 日本語への翻訳の場合、翻訳された日本語を「 400 字で 1 ページ」とするのが一般的と言われる。

始まりはワープロなどが無かった時代に原稿用紙 1 枚が 400 字だったことから、「 400 字で 1 ページ」という考え方になった。

見積もりのときには原稿の文字数やワード数を人間が数えるため、請求時には誤差が出る場合がある。そのため、翻訳料金の予算をたてにくいというデメリットがある。

また会社によって計算方法が違うので、金額が大幅に変動し、業者の価格の比較が困難な場合が多い。そのため、最近では電子データから原稿のワード数(文字数)を出して、ワード単価(文字単価)で金額を決定し、見積もり金額と請求金額を同一にするのが主流となりつつある。

原稿が紙しかない場合にのみ、この「仕上がり」という算出方法が存在している。また、会社によっては 800 バイトで 1 ページ、350 字で 1 ページとする会社もある。

翻訳無償トライアル

クライアントが発注を予定している翻訳会社の翻訳の品質を確認するためのテストのようなもの。

通常は無償だが、あくまでもテストなので翻訳対象のワード数や文字数に制限がある。このトライアルをすることによって、翻訳会社の品質を発注前に知ることができる。
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機密保持契約

データが漏洩するのを防ぐために、クライアントと翻訳会社との間で締結する契約のこと。

翻訳会社は、作業に関わる翻訳者、DTPオペレータ、校正者とも機密保持契約を結ぶ。NDA(Nondisclosure Agreementの略)ともいう。

翻訳会社・翻訳作業に関連する用語

トライアル

在宅の翻訳者が、翻訳会社から仕事を受けられるようになるために、最初に受けるテストのこと。合格者だけが「登録翻訳者」として仕事の依頼を受けることができる。

翻訳者個人の能力が品質にも影響するため、翻訳者を採用する際のトライアルの合格基準が、翻訳会社の基本的な品質であるとも言える。

登録翻訳者

翻訳会社が行う「トライアル」というテストに合格し、契約を結んで仕事を受ける在宅翻訳者のこと。
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スタイルガイド

翻訳者による表現や送り仮名などの違いを防ぐためのルールが書かれた翻訳のガイドライン。

クライアントごとに作成するが、実際にはその翻訳会社がもつ標準のものをクライアントごとにカスタマイズするのが一般的。特に大量の文書を複数の翻訳者に分けて翻訳するときには必要不可欠なものとされる。

専門用語集(グロッサリ)

スタイルガイドと共に、翻訳には欠かせない翻訳者専用の用語辞書。

英語 → 日本語の翻訳の場合、英語と日本語がペアになっている。複数の翻訳者が翻訳を行う場合に使用する用語を統一するため、また翻訳する分野によっては訳すのが困難な場合、クライアント独特の訳し方があるため、翻訳を始める前に構築される。

コーディネータ

翻訳者への窓口担当者。

クライアントから受注した翻訳について、経験や得意分野を考慮したうえで最も適した翻訳者を選定し、仕事を依頼する。翻訳者からの質問を受け付けたり、クライアントからの申し送り事項を翻訳者に伝えたりする役割や、翻訳者のスケジュール管理・納期管理等の役割もある。

クエリー

クライアントに確認する必要があることや、初校納品後のクライアントチェック時に注意してもらいたいことなど、翻訳作業中に気付いた事をまとめたもの。

一般的には、エクセルファイル等に対象の原文、対象の訳文、翻訳者からのコメントを記載する。翻訳会社から納品物と共に提出されることが多いが、クエリーだけを先に送り、回答を待ってその後の翻訳作業に取り掛かることもある。
クエリーシートとも呼ばれる。

チェッカー

翻訳チェックの担当者。

誤訳・訳抜けのチェックだけでなく、用語集やスタイルガイドに照らし合わせて、ドキュメント全体が統一感を持つように調整もする。また、用語集やスタイルガイドのアップデートも行ない、品質が安定するように管理する。

TRADOS(トラドス)

翻訳業界で使われる最も標準的な翻訳支援ツール。

マニュアルなど、定型文や繰り返しの表現や文章が多く含まれる大量の文書の翻訳をするときに最大の効果を発揮する。

TRADOSに組み込まれている翻訳メモリ(TM)の中に原文と翻訳文が1対になって登録・保存されてデータベース化されており、訳文の再利用ができるため、表現・用語のばらつきを抑えるだけでなく、コストダウンが可能になる。

ローカリゼーション(ローカライゼーション)

翻訳と同義語としてとらわれがちだが、その意味はもっと深く、その国の文化や歴史、生活習慣なども考慮して、「現地語化」することまで含まれる。

ソフトウェア、オンラインヘルプ、Web(ウェブ)ページなど、単に文章を翻訳するだけでなく、現地市場でそれらが適切に機能するようにする過程まで含むものを「ローカリゼーション」という。

たとえば、英語版のWeb(ウェブ)ページを日本語に「翻訳する」なら、ページに掲載されている英語の文章を日本語に訳すことまでを指すが、「ローカライズする」場合には、Flashやgifなどの画像データを日本語化したり、日本市場に合うようにコンテンツを整理したりすることで日本語版のページを構築することまでを含む。

DTPに関連する用語

DTP

デスクトップ パブリッシング(Desktop Publishing)の略。

コンピュータを用いて、ドキュメント全体のデザインやレイアウトなどを整えるためにする一連の作業のこと。これを専門に行う担当者を「DTPオペレータ」という。

DTPは、対象のドキュメントがどんなアプリケーションで作られているかによって、作業内容や難易度が異なる。

校正

翻訳後の文章を最終チェックする作業のこと。
文章を素読みして誤字・脱字を修正したり、表現方法を修正したりすることを指す。

翻訳・DTPの流れにおいては、翻訳元の言語(英→日翻訳の場合は英語)のデータと対応させながら、レイアウトの崩れを修正することも校正の中に含まれる。

FrameMaker

FrameMaker は、特に IT 関係の会社の製品マニュアルに多く使われている DTP 用ツールであり、大量のドキュメントの作成に適している。

Acrobat PDF で有名な Adobe 社の製品なので PDF との互換性にも優れており、XML や SGML データのインポート/エクスポート機能もある。また、HTML 形式への変換も、他のツール(MS-Wordなど)に比べると、容易に行うことができるため、ひとつのソース(シングルソース)から何種類ものファイル形式への展開、利用が可能になる。

InDesign、Quark XPress

DTP用レイアウトソフト。
カタログはこのソフトを使用して作成されることが多い。